top of page

2016 Solo exhibition"Gabomi Rei photography exhibition" in Kuulas Finland Ivalo フィンランド イヴァロ

Gabomi Rei photography exhibition in Ivalo Finland.16 - 24 Oct. 2016, open:Sunday 12-16, Weekday 16-18Japanilaisen Gabomi Rei –valokuvataiteilijan näyttelyKuulas-taidenäyttelytilassa 16.-24.10.2016.Avoinna ensimmäisenä sunnuntaina 16.10. klo 12-16, arkena klo 16-18. Vapaa pääsy!Kuulas, Ivalontie 6, Ivalo

2016年秋、フィンランド北部のイヴァロに滞在していた。オーロラがみえる北緯68度に位置する田舎町だけど、スーパーマーケットもあって住みやすい。自転車で5分も走れば豊かな自然に囲まれてしまうほど小さい町。現地でホームステイしながら制作を進める内に、わたしはすっかりこの町が気に入った。でもすぐに次の滞在先ベルリンへの移動がせまっていた。「次回来たときはここで個展できたらステキだなあ」とぼんやりした願望をホームステイ先のKirsiさんに告げると「REi! If you really want, Anything is possible!」と強い返事が帰って来た。彼女はインターネットですぐに調べ、自治体で文化事業を担当しているMirja Karjalainenさんの名前を教えてくれた。電話番号もメールアドレスもないので翌日オフィスに行ってアポ無しで直接交渉するしかなかった。結果、ミリヤはとてもいい人で快諾してくれた。そうしてイヴァロ唯一のギャラリーKuulasで個展ができることになったわけだけど、なんと空きが1ヶ月後の10月しかなかった。それを逃すと半年以上待たないと行けない。半年後なんて熱が冷めている気がして、私は即座に10月開催を決心し、ベルリンの滞在日数を大幅に減らし、再びイヴァロに戻ってくることを決めた。

旅先での個展準備は簡単ではなかった。イヴァロの田舎町では大きなプリントができない、展示も問題があって壁面ピン打ちが禁止されてるためワイヤーで吊るしかなかった、ということは額が必要になってくる、額はイケアより簡素なものしか売ってない、展示後日本に送るほどのものではない(送料の方が高い)、展示後に現地で廃棄するなんてことはムダすぎてバカげている。いつもの展示道具も持って来てない。いろんな障壁があったけれども、プリントの問題はすべてベルリンで解決した。2mを超える大判プリントを時間ギリギリの中でどうやって運ぶかについては、写真を分割プリントしたものをスーツケースに入れて運ぶことで解決。ベルリンの写真家Sabine Schründerの助言で展示にはガムをつかうことに。これでムダな額は一切不要となった。イヴァロでできた友達Lauriのおかげで道具や湖の水を手配できたし、搬入搬出までスムーズにできた。Mirjaが手配してくれた現地ティーンの子たちがアシスタントになってくれたので展示は数時間でたのしく完成した。

こうしてできた手作り写真展のメイン作品は、フィンランドのイナリ湖で制作した鏡面写真シリーズ"The surface mirror"の新作。2135mmの大出力で会場奥に展示した。49分割になっているものをそれぞれガム接着。周囲の壁には今回の旅でのスナップ写真(フィンランド、ベルリン)を散りばめる形で展示。また中央には木枠と農業用ビニールで水槽をつくり、湖の水をためてオーロラの写真を沈め、分解を試みた。(分解写真)しかし低温のため反応が遅く会期中に分解されなかった。

今回は、代替えアイデアが満載のラフな手作り写真展になったのだけど、可能性に満ちた展示だったと思う。写真展の本質を学ぶ良いきっかけになった。写真を飾る額、プリントしている紙、場の雰囲気、演出はすべて本質じゃない。本当の自分の視点を見せることだけが写真展の本質なんだとおもう。旅先で個展ツアーしてみてもいいかもしれない。

bottom of page